体系的な知識習得って…

ちょっと古いですが、仙石浩明の日記: 断片的な知識と体系的な知識から。

しかしながら、今後大きく成長する可能性が感じられる人と、早くも既に成長の限界が見えてしまっていて、可能性がほとんど感じられない人、という点では、もう既に逆転不可能とさえ思えるような大差がついてしまっています。

可能性が感じられる人、というのはつまり、自分が何をしたいか明確に分かっていて、かつその分野の体系的な知識を身につけている人たちです。

(中略)

一方、あまり可能性を感じられない人、というのはつまり、自分が何をしたいのか、まだつかみきれていない人、あるいは、何をしたいかは分かっているのだけど、断片的知識の寄せ集めしか身につけておらず、その分野の体系の全体像をつかめていないので、…

(中略)

うっ…!耳が痛いですね。

自分は一応情報系の学科を卒業したので、それなりの知識は身についているかとは思います。しかし、それが断片的な知識にとどまっていないか?今一度考えてみる必要がありそうです。


ちなみに、引用元ではもうちょっと詳しい説明(というか、筆者の意見)が記載されていますが、長い文を読むのが嫌いという読者のために擬似言語風に表現してみます*1

if (何をしたいかが不明確)
    仙石浩明の日記: 面接FAQ: 「人の役に立つことをしたい」と言う技術者の卵たちを読んで、いろいろ考えてみましょう(笑)
} else if (断片的な知識のみ習得) {
    短期的には活躍できそうな人。
} else {
    大きな可能性が感じられる人!
}


では、上の考えをもう一歩推し進めて、「何で体系的な知識を身につけていない、もしくは身につけようとしないのだろうか?」ということを考えてみたいと思います。

いろいろ自分のことを振り返ってみましたが、以下の二点の理由が思い浮かびました。

与えられた課題を解くだけならば、断片的な知識で事足りてしまうから
学校の講義や研修のように、課題があらかじめ決まっているのであれば、断片的な知識(例えば、JavaでのDB接続方法とWebアプリケーションの基礎と…という風に)だけで解決できることが多い。なぜならば、「課題が決まっている→あらかじめ明確な解答が存在する→必要とする手法が明確→必要とする知識は断片的なもので構わない」からである。
bold;">自分の力で物事を体系的に捉えることは、思いのほかしんどいから:Webや書籍には具体的な手法(上の例で言うと、DB接続法やWebアプリケーション基礎など)は多く掲載されているが、これらはあくまで断片的なものである。体系的な知識にするには、習得した事柄間の関連を自分で考えないといけないけど、大抵の人は断片的な知識を覚えるだけで満足してしまう。

ROIの観点で言うと、後者の理由のように投資は骨が折れる作業であるにも関わらず、前者の理由のように明確な見返りが少ないからでしょう。これだけ考えると、誰だって体系的な知識を身につけようとはしなくなりますよね。

しかし、断片的な知識だけで事足りるのは最初の方だけです。社会で働いていくうちに遭遇する課題には明確な解がないものの方が多いでしょう。そのときに少しでもよりよいソリューションを提示するためには、複数の解決策とそれらの特徴を示すことができなければなりません。そのためには、断片的な知識でなく体系的な知識が必要になるでしょう。


結論として、「最初のうちは体系的な知識を身につける必要性はあまり感じられない。しかし、いずれ体系的な知識は必要となるので、若いうちから身につける努力をした方がいい」という感じかな?

今日は、案外すっきりまとまった気がします。多分、後から見直したらがたがたでしょうが…

*1:分かりやすくなった?いや、大して変わらない。単なる自己満足だな、こりゃ…