「ユーザーストーリーマッピング」を読みました
良くも悪くも独自の感性でやってきた今の組織に対して、外部のベストプラクティスをうまく取り入れながらよりよいやり方を模索するのが、今の自分の役割の一つです。そのうちの一つに、ユーザーストーリーがありました。ユーザーストーリーはいいものだと思うのですが、全体像がちょっと掴みにくいなあと思ってたところだったので、この本を手に取ってみました。
- 作者: Jeff Patton,川口恭伸,長尾高弘
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2015/07/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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3章 より早く学ぶためのプラン
ちょいちょい見る、下記の図の説明が腑に落ちました。
このようなリリースプランを立てれば、毎回のリリースで人々が実際に使えるものを届けることができる。しかし、私の目的が長距離旅行で、大きな荷物を持っていたら、この乗り物の例みたいにスケートボードなんかもらっても、ちょっとイラッとするだろう。(中略)あなたの目標が私を喜ばせることなら、これはまずいと思うはずだ。しかし、あなたの目標が学ぶことなら、その目標は達成できている。そう、これでいいのだ。あなたは、私がおもったより遠方まで旅行したいんだと考えていることを学んだし、その課題が片付いたら、私が楽しさにも価値を置いていることを学ぶだろう。
...
すべてのリリースを実験として扱い、何を学びたいのか忘れないようにしよう。
よく「単位を小さくリリースしろ」って言われるけど、(単位が小さいがゆえに)ユーザにとって価値が小さいのをリリースしてもどうなんだろう?と思ってました。けど、そのリリースの目的が(ユーザへの価値提供ではなく)学びであるならば、小さくリリースすることによってその学びを達成できたのであればいいことなんですね。予測と違う結果でも、「予測が違うかった」と学べたということで。
5章 あなたはもうやり方を知っている
この章では、「朝起きてから仕事に行く準備ができるまで」という題材で、実際にストーリーマッピングの作り方を試す流れになっています。こうやって、本で学んだ知識を実際に体験できるような章を用意しておいてくれるの、非常にありがたいですね。本読んだだけだと、ふむふむじゃあ実際にはどうやるの?ってなりがちですが、一度体験しておくと実導入する際にもう少し取り掛かりやすくなるので。
せっかくなので、会社で希望者募って一緒にやってみようかな。もし誰も希望者いなければ、会社の隅で一人さみしく付箋紙と戯れることになると思いますが・・・
(2016/11/16 追記)
やってみました。結果はこちら。オフィスの3~4名ぐらいが乗ってくれて、嬉しかったです。
16章 リファイン、定義、構築
ミーティングの形式について。
人数がある程度以上になると、興味が薄くてスマートフォンをいじったり別のチャットをやったりする人が出てきますよね。積極的に関与するほどではないけど、会話の流れを聞いておきたい人もいるという場合に有効なミーティングの形式として、「フィッシュボウル・コラボレーション」というパターンが紹介されていました。詳細は以下の画像を。
これ、割りといいなあと思いました。人数増えてくると参加者間で温度差が出て来るけど、それをうまく吸収できそう。一度取り入れてみたいですね。うちは拠点が分散してて hangouts などオンラインでミーティングする形式なので、物理的な円を描くとかはできなさそう。各参加者が、積極モードなのか、観察モードなのかを判別できるような仕組みがあればよさそう。
あと当たり前だけど、ユーザーストーリーマップを扱うときはユーザーストーリーも扱います。本の半分ぐらいはユーザーストーリーの説明も色々書かれてて参考になりました。まだ知識レベルな理解なので、ちゃんと実践投入してこの本で得た知識を活かせるようにいきたいです。(もしくは、やってみた結果今の自分たちに合わないと学んだならば、それはそれで成果だと思うし)