「デザインスプリント」を読みました
基本、読んでる本はWIP 1で進める派(今読んでる本を読み終わる or 諦めるまで、次の本に手を出さない)なのですが、割り込みでデザインスプリントの本を読みました。
背景としては、業務でプロダクトデザインフェーズでのアイデア出しワークショップを開いたことのふりかえりから。ワークショップ内で発散まではまあどうとでもなるとして、収束させることがそのときの自分の引き出しではできなくて、結局ワークショップ内では発散しっぱなしで諦めました。で、そのことを某関西弁のパイセンコーチに壁打ちしたら、「デザインスプリントにアイデアがあるかもね」というありがたい言葉をいただいたので。
というわけで、今回はDay 3の「決定」を一番中心に読みました。言い換えると、「この本を読んだ後に、例のワークショップを開催するとしたら、どこをどう改善するだろうか?」というのを考えながら。
デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド
- 作者: Richard Banfield,C. Todd Lombardo,Trace Wax,安藤幸央,佐藤伸哉,牧野聡
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちな、以前下記のスライドは目を通してました。なので、デザインスプリントとは何?ってのをざっくり知ってるけど、実体験として理解はできていないレベルです。
www.slideshare.net
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決定に関わること
Day 3 決定:チームでのスケッチ作成
この作業のサイクルを複数回繰り返す時間はないことが多いでしょう。したがって、ユーザージャーニーマップを分割してチームごとにそれぞれ異なる部分を作業してもらいましょう。そして、最後にそれぞれのチームからフィードバックをまとめることで時間短縮が可能です。
ここが一番知りたかったところ。一気に全員で全範囲を収束の議論するのではなくて、分割した上でそれぞれを3~5名程度のグループ単位に割り当てていくわけね。その切り口の一つとして、ユーザージャーニーマップごとに分割するとか。
なるほどー。時間の問題もあったんだけど、一番のネックって思ってたのは、人数が多い状態(6名以上を想定)で収束の議論が難しいそうだなと感じてたんでした。それは、分割して議論の人数を絞った上でそれぞれで議論すればいいのか。もちろん、一人が全部をがっつり見ることはできなくはなるけど、それは各グループの結論を信頼して任せる感じ。
Day 2:発散でも似たように、分割してやってるところがあった。発散を複数回繰り返すときに、一気に全部を考えると、2回目以降同じ範囲を考えても同じアイデアしか出てこないんじゃないかなーと思ってました。けどこれも一緒で、1回目はジャーニーマップの前半で、2回目はジャーニーマップの後半とかやると、考える範囲が違うので、複数回してもよさげ。
Day 3 決定:最終スケッチの作成
「選択肢を2つか3つにまで収束できたなら」的な説明がありました。収束となると、この辺が現実的かなとは感じてます。
10も20もアイデア出てきても、全部を実装できるほど僕らの人生は長くないし、ましてや作りっぱなしではなく検証まで含めるのならばなおさら。なので、もう数個に絞る。どれぐらいに絞るかは、プロジェクトの予算やスケジュール感にもよるかな。
決定に関わらないけど、心に残ったもの
Day 1 理解:アイスブレイク
- ここだけの話ですが、実は…
- 自己紹介に続けて、参加している他の参加者が誰も知らないと思われるちょっとした秘密を話してもらう。
- 希望と心配
- 2色のポストイットに、それぞれ希望・心配事を書いてもらう。で、それを匿名状態で集めて、任意に一枚ずつ選んで書いた人以外がその意味を推測しながら説明していく。このことによって、他の参加者の共感を持てるようになる。
前者の「ここだけの話ですが、実は…」の派生として、ワークショップで取り上げようとしてる内容に関してのことだと、より味わい出そう。あとは、少人数(1~3名)のみ知ってるとかだと、あまりにもニッチな領域じゃないところを狙いに行きたくなって少しゲーム要素も出そうでよさげ。
後者の「希望と心配」は、単に自己紹介で終わるのではなく、自分以外の誰かのことを考えるってのがよさそうと感じました。ドラッカー風エクササイズの「期待されてると思うこと」と派生の「相手に期待すること」でもそうだけど、他の人の立場で考える機会ってなかなかないけどチーム力を高める上で大事なことだと思ってるので。
Day 1 理解:課題の定義
また、モバイルデジタルプロダクトの1つだったAndroid携帯をFacebook携帯に帰るFacebook Homeを使ったことがある人もいるでしょう。結局我々はFacebook Homeを使いませんでした。このアプリにはまったく使う意義を感じられません。「ユーザーを自社アプリに囲い込む」というFacebookにとっての課題は解決されたのかもしれませんが、ユーザーにとっての本当の課題やニーズにはまったく考慮されていません。
Facebookのとあるプロダクトを例にあげられてて、ぐさっときました。あまり聞いたことないプロダクトの失敗事例を聞いてもぴんとこないところもあったけど、Facebookでさえもそういうことあるという(実際にFacebook Homeなんて知らなかった)。
自分たちに都合のいい解釈で、「自分たちのビジネス的にこうなるといいな」からの「これ作れば使ってくれるだろう」っていう流れに陥らないように、↑の説明文に続いて述べられてた↓の文も合わせて。
ユーザーや顧客のためではなく、自社にとっての課題を解決するためにデザインスプリントを行おうとしている企業は今も多数見受けられます。
Day 1 理解:HEART Framework & Goals-Signals-Metrics
「UX のゴールやメトリクスを設定するときには HEART Framework と Goals-Signals-Metrics プロセスが使いやすい」という触れ込み。ちらっと見ただけだけど、確かによさげ。頭の片隅に入れておこう。
Day 2 発散:ストーリーボード
絵コンテとも。テキストだけより絵も含めて書いた方がより記憶に定着するだろうし、複数のコマで表現されてるとインタラクションがイメージしやすい。これも、アイデアを表現するフォーマットの一つとして、引き出しに入れておこう。
ストーリーボードの説明は、よさげなサイトがあったので、そちらにおまかせ。
Day 5 テスト:プロトタイプの評価 - よく起こること:辞退者が出た
我々は辞退者の発生を見込んで、7,8 人にインタビューを行うようにしています。そうすれば、辞退者がいても最低でも5,6人からフィードバックを得られます。
いい目安。とりあえずメモだけ。
やっぱり、実際にやること・やったことと照らし合わせて読むと、理解度とかも違いますね。自分が知りたかったことが知れた(収束に至るまでのやり方)のもよかったし、それ以外でもいくつか引き出しができた。今後デザインスプリント自体をがっつりやるかはさておき、一つレベルアップできたんじゃないかな。