「リーンエンタープライズ」を読みました
Switchを買っちゃって、プライベートの時間がどんどんなくなっちゃって、ヤヴァイってなってます。この本も、もう1年以上前に読んでたのに、いまさらの感想ブログになってますし。
リーンエンタープライズ ―イノベーションを実現する創発的な組織づくり (THE LEAN SERIES)
- 作者: ジェズ・ハンブル,ジョアンヌ・モレスキー,バリー・オライリー,角征典,エリック・リース,笹井崇司
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/10/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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確か、この本読もうとしたときに、ちょうど↓のスライド見た記憶があります。幅広くカバーしてるってので、もれなく吸収したいなと思ったのでした。
2章 企業ポートフォリオのダイナミクスを管理する
この章では、やっぱり3つのホライゾンですよね。
ホライゾン1 | ホライゾン2 | ホライゾン3 | |
---|---|---|---|
概要 | 既存のビジネス:今日のキャッシュフローを生み出す | 高成長ビジネス:今日の収益成長と明日のキャッシュフローを生み出す | 成長のオプション:将来の高成長ビジネスのオプション。キーワードは、リーンスタートアップや製品/市場フィット(Product / Marget Fit) |
目標 | 経済的リターンの最大化 | キャズムを超える、収益に貢献し始める | 新しいビジネスを作る |
主要指標 | 計画に対する収益、市場シェア、利益率 | 売上高利益率、ターゲット顧客数 | クチコミ(消費者)、有名顧客(法人) |
自分の性質がホライゾン1,2に向いてるのもあって、ホライゾン3はちょっとおろそかになりがち。なので、そうなりがちというのを意識しておかないとなと、再確認しました。合わせて、自分が今手がけてる事業は、ホライゾンのどこに当たるのかな、それにふさわしい指標やら施策になってるんだっけ?というのを踏まえながら。
5章 製品/市場フィットを評価する
海賊指標:AARRRと、課題/解決フィット・製品/市場フィットの関係について、再確認。それぞれ単語は頭に入ってたのですが、それらの関連などを確認・考えるきっかけになりました。
名前 | 目的 | Votizenでの例 | 気にかけるべきフィット |
---|---|---|---|
Acquisition:獲得 | サービスを訪れた人の数 | アカウントを作成した | |
Activation:アクティベーション | はじめてなんらかの体験をした人の数 | 信頼性を確証した | 課題/解決フィット |
Retention:定着 | 何度も戻ってくる人の数 | 少なくとも3回システムを使用した | 課題/解決フィット・製品/市場フィット |
Revenue:収益 | 収益を生む活動にかかわる人の数 | 活動を支援した | 製品/市場フィット |
Referral:紹介 | 他のユーザーを紹介する人の数 | 友人に転送した | 製品/市場フィット |
フィット関連について思い出したのは、下記の記事。製品の時間軸の流れを考えて、AARRR -> ARRRAというようにAcquisitionを最後に持ってきたのと同じことかなと思いました。自分の中の知識がチョットつながってきた。
あとは、ソフトウェア開発には外せない、エンジニアリングプラクティスについて。「あとで技術的負債を支払うために、最初から従っておくべき2つのプラクティス」はこちら。ホライゾン3では製品レベルだけど、ホライゾン2でも機能レベルで技術的負債を扱うことになるので、どのみち避けては通れない。
- 継続的インテグレーション
- 基本的なユニットテストおよびユーザージャーニーテスト
前者は、エンジニアとしての自分が価値を出せる&自分もやってて楽しい領域。他は多少優先度下げてでも、ここはちゃんと第一線はれるように腕を磨いておきたい。
後者は、ユーザージャーニーテストって知らなかったんだけど、Fowlerの定義や下記の図いわく、一番下(ユニットテスト)と一番上(ユーザージャーニーテスト)を抑えておくべしということかな?
( by You cannot Automate a User Journey Test – Toby The Testers Blog )
6章 継続的改善をデプロイする
ソフトウェアに依存している会社がハイパフォーマンスを達成するには、何よりもまず、実行する能力、信頼できるシステムを構築する能力、複雑さを継続的に軽減していく能力にフォーカスすべきです。ビジネスの優先度と連携するのは、それができてからでいいでしょう。
よく「どこから改善していくべきですか?」という質問を受けたり見たりしたとき、雑な手書きだけどこういう風に認識している。いつまでもビジネスの優先度を考えないのも困りものだけど、まずは先立ってIT部門にある程度の実行能力がないと、ビジネスがうまく回っていかないので。
他には、活動会計。最終的には時間ではなくて、成果 = アウトカムに結びついてるかを考えたいけど、その手前としてどういう活動にどれぐらいの時間を使ってるかというのは、自分たちでコントロールしやすくてとりかかりやすそう。下記は、本書で取り上げられてた活動会計の表。
コストの割合 | 活動 | 以前 |
---|---|---|
2% | 継続的インテグレーション | 10% |
5% | アジャイルな計画 | 20% |
15% | ひとつのメインブランチ | 25% |
10% | 製品サポート | 25% |
5% | 手動テスト | 15% |
23% | 自動テストスイートの作成と保守 | 0% |
~40 | イノベーション | ~5% |
自分でもちょっとお試しとして、自分でも各人の月次稼働実績をまとめて集計して、何か見えないかを試してみました。もう1,2ヶ月分出してみて、ちょっとふりかえってみよう。
最後に、改善のカタ。これ、フォーマットとしていいんじゃないかと思いつつ、以前やったけどうまく実践できなかった。改めてもう一回トライしてみようかしら。
www.slideshare.net
7章 価値を明らかにしてフローを増やす
バリューストリームマッピング、カンバン、遅延コストの章。これだけでご飯が3杯ぐらい食べられそう。
それぞれ、以前読んだ本にも取り上げられてるぐらい。けど、バリューストリームマッピングは結局素振りもちゃんとできてないので、やらんといけんってのを改めて思い出せました。やるぞー。
第IV部 変革
- 文化
- GRC:ガバナンス / リスク / コンプライアンス
- 財務管理
- IT部門
にまつわる話。ですが、まだまだピンとこなかったところが多いです。少しずつ関わるようにもなってきたのですが、まだまだ経験不足ですね。後日もう一回読み直してみましょうかしら。
最後のIT部門に関しては、おそらく今後レビュー書くであろう「LeanとDevOpsの科学」で触れるはず。もう読んだけど、感想文書くときにあらためて考えることにします。
LeanとDevOpsの科学[Accelerate] テクノロジーの戦略的活用が組織変革を加速する (impress top gear)
- 作者: Nicole Forsgren Ph.D.,Jez Humble,Gene Kim,武舎広幸,武舎るみ
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2018/11/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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1回目に読んだときは全然ささらなかった探索のところが、2回目読み直すとチョット分かるようになってきたのは面白い変化。前向きに捉えると、以前よりは成長してるということなんでしょうかね。